宮崎氏は、最後まで主人公に不確信だったのか、公開後も「フラフラの自我を抱えた子を描くのはうんざりだ」と語っていた。
キキは、自活することに悩み最後には少しの自信を身につける。
宮崎氏は、この作品の映画化にあたり、原作を離れて「親に頼らず自分の力(ほうき)で生きていく」姿を意識的に盛り込んでいた。
しかし、
主人公が自信回復へと至る展開は、老婦人や親友の励ましといったソフトで曖昧な人間関係と、
ボーイフレンド救出劇という予期せぬハプニングであり、
多分に「他動的」な解決法であったと言えよう。
このため、主人公のハードな主体形成がやや印象に薄く、
物語以降も同じような失敗を繰り返すのではないか?というたよりなさも感じられた。
(そこが万人に受け入れられた根拠であるかも知れないが)
http://www.yk.rim.or.jp/~rst/rabo/miyazaki/mimi_ron.html