モリヤ・カツハルと80歳&16歳孫、どうして差がついたのか 9日ぶり無事救出劇
東日本巨大地震から10日目の20日、津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で、つぶれた住宅のがれきの中に閉じこめられていた祖母と孫の2人が、無事救出された。
国内では2004年10月の新潟県中越地震で、当時2歳の男児が92時間ぶりに救助された例があるが、9日ぶりの救出劇は極めて異例だ。
20日午後4時頃、宮城県石巻市門脇町2、阿部 寿美 ( すみ ) さん(80)を行方不明者を捜索していた石巻署員が見つけ、救出した。
寿美さんのそばには、がれきのすきまからこの日、自力で脱出した孫の高校1年、 任 ( じん ) さん(16)がおり、救出を求めていた。2人とも意識はあり、署員の呼びかけにしっかり答えたという。
県警は石巻広域消防に救助を要請し、2人はヘリコプターでつり上げられ、石巻赤十字病院に搬送された。
同署と石巻赤十字病院によると、2人は自宅にいて11日の地震に遭い、木造2階建ての自宅は津波でつぶされた。天井と台所との間にできたわずかな空間に、2人は閉じこめられた。
寿美さんは足が不自由だったため、身動きができなくなった。倒れた冷蔵庫のドアは開けられたといい、任さんは「冷蔵庫の中にあった水をあげたり、ヨーグルトなどを食べさせてあげたりしていた」と話しているという。周辺にはパンや冷凍たこやきなどの袋も散乱していた。
任さんは20日になって、がれきの間を縫うようにして脱出に成功。津波で流れてきた屋根の上にあがり、捜索中の署員に「がれきの下におばあちゃんが閉じこめられている」と訴えた。寿美さんは発見から約50分後にがれきの中から救出された。
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