「またいつか、美しい故郷へ」 屋内退避の住民、県外避難始める 福島・南相馬
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110318/fks11031818180030-n1.htm また、いつか戻ってきたい−。
福島第1原発の放射能漏れで「屋内待機」を強いられている福島県南相馬市の住民が18日、
大型バスで県外への避難を始めた。中継地になった福島市のJRA福島競馬場では、
未知の土地に身を寄せる不安を抱きつつ、故郷での再会を誓い合う人たちの涙であふれていた。(石崎慶一)
海沿いの南相馬市は、津波などの被害で県内最多の195人(18日午後1時現在)が死亡。
原発事故の影響で二重の打撃を受けた。
福島第1原発から半径20キロ以内に住む住民の避難は終わったが、
「屋内退避」になった20〜30キロのエリアでは、放射能汚染を恐れたトラックが、
灯油やガソリンなどの燃料、食料を届けられないケースも。
住民は動くこともできず、他の被災地にも増して、不自由な生活を強いられてきた。
しかも、福島県内の他市町村には、震災に加えて、原発事故による避難者が殺到。
受け入れ先がなく、「苦渋の選択」として県外避難を決断した。
18日は県外避難を希望した約1600人が、約40台のバスを連ねて故郷を離れ、
受け入れ先の群馬、新潟両県に向かった。新潟を目指す約400人は途中、福島競馬場でバスを乗り換えた。
出発を待つ住民たちの表情は、一様に疲労と不安にあふれていた。