円債こうみる:長短金利バランス、為替がポイント=BNPパリバ 島本氏
<BNPパリバ証券東京支店 島本幸治・投資調査本部長>
想定外の震災リスクでいろいろなことが不透明で、余震を含めた被害が今後どうなるか見極めがつかない状況にある。
したがって、短期的には質への逃避が進みやすい。海外投資家が買ってきた株式が売られやすいことと、日銀が
金融緩和を強化することで、円債市場の短期ゾーンが買われている現状だ。同時に今後、財政悪化に伴う
国債増発懸念が長めの金利を押し上げ、イールドカーブはスティープ化していくと思われる。短いゾーンと
長いゾーンのバランスは為替相場がポイントになるとみている。
為替に関しても質への逃避に伴う円高が一般的な連想だが、震災の被害が予想以上に大きく、事態が深刻化すると、
円安に転じる可能性が出てくる。となれば、長めのゾーンが金利上昇に向かう可能性がある。
今のところは質への逃避の影響が勝って、先物や長期ゾーンが買われているが、今後は震災の被害の事態が悪化
してくると、金利の上昇も想定しておく必要がある。補正予算規模が注目される。
(東京 14日 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPnTK055172620110314