つなぐ衛星電話、電池切れ目前…宮城・女川

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1名無しさん@涙目です。(catv?)

外部とつながる糸は、役場にある衛星携帯電話1台だけ。それさえもバッテリー切れ目前だ――。津波になぎ倒された家々のがれきが道路を寸断し、
周囲との行き来を遮断された宮城県女川(おながわ)町。陸の孤島と化した海辺の町に12日入った。

 線路を延々と歩き、親切な女性の車に同乗させてもらって、午前10時半すぎ、町の入り口にたどり着いた。

 路面は材木や石が散らばる。もう車は進めない。

 女川湾に面した町中心部まではあと5キロほど。山に挟まれた緩い上り坂の一本道を行くだけだ。

 「おう! 新聞社! 向こう全滅だぞ! 何もねえぞ!」。眼鏡をかけた男性が大声で叫んだ。道路のところどころに散ら
ばっていた木材やトタンなどの住宅の破片が次第に路面全体を覆う。道沿いに点在する住宅に、原形をとどめているものはない。

 電線から大きなものがぶら下がっている。近づくと、私の背丈よりも大きな木造住宅の梁(はり)と天井とおぼしき板切れだった。
ゆらゆらと不気味に揺れるすぐそばをこわごわ通り過ぎた。

 やや開けた空間に出た。はるか向こうに青い海面。そこまでびっしり、がれきの山が積み重なる。もはや道路かどうかの区別さえつかない。

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