約1200人が孤立しているという情報がある宮城県名取市の仙台空港ターミナルビルは、津波で1階は完全に水没。
取り残された職員や利用客らは2〜3階で助けを待っている。周囲は浸水したまま。自衛隊が救出に向かっているが、
いまだ救出のめどは立っていない。体調不良で死亡した人がいると話す人もおり、一刻も早い救出が望まれている。
名取市街から空港に続く県道は、空港に近づくにつれてぬかるんだ路面にがれきが目立ち、津波被害の爪痕が残る。
空港から約1・5キロほど離れたところでは、泥水が30センチ以上たまっており、湖のようになっていた。一般車両の乗り入れはできない状態だ。
空港ビルに勤務する仙台市泉区の会社員、大宮宥太さん(18)は水浸しになりながら自力で脱出した。
「食料は売店の商品などでまかなっていたが、体調不良で亡くなった人も何人かいた。『自分はどうなるのか』と不安な気持ちになり、自力で帰る決意をした」という。
自衛隊や消防なども、地震発生直後から、空港ビルへの接近を試みているが、依然として到着できないという。
被災者の健康状態も把握できていない状況だ。
陸上自衛隊の災害派遣部隊の中隊長は「現在、あらゆる方面からルートを探している。何としてもたどり着きたい」と
表情を引き締めた。(奥田翔子)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110313/dst11031312510049-n1.htm