いわき平も激震…小野記者が発生時の様子を語る
東北地方太平洋沖地震は前検日のいわき平競輪場も直撃した。現地で
前検取材にあたっていた競輪担当の小野祐一記者が、発生時の様子を語る。
前検練習が終わったばかりの競輪場に突然、すさまじい衝撃が走った。「ゴゴゴ」
という音とともに、立っていられないほど大きな横揺れが1分以上続いた。
ホームスタンドのガラスが2枚割れる。選手宿舎で入浴中だった数人の選手が
タオル1枚を腰にまき、はだしのまま外に飛び出してきた。いったん揺れが収まると
20人ほどの選手が「周りに建物がないところへ急げ!」と叫びながら選手宿舎を
飛び出してバンクへ走った。
40〜50人の選手、関係者は競輪場の外へ出て、駐車場に避難。だが、路面には
亀裂が入っており危険だ。慌てて場内へ引き返した。
選手は前検日から開催終了まで携帯電話を競輪場へ預ける決まりになっており、
外部との連絡手段がない選手らは「家族が心配なので電話させてほしい」、
「不安なままレースできない」と職員に訴える。福島県小名浜に実家がある選手は
津波の様子をテレビで見ながら不安を隠しきれない様子だ。
午後4時頃、施行者は今開催(12〜14日)の中止を決定。契約解除になった選手は、
選手管理へ預けていた携帯電話を受けとると、すぐさま家族へ安否の確認をとっていた。
宿舎の水道が止まるなどインフラも不安視される。前検日でファンの来場がなかったのが
せめてもの救いだった。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/03/12/kiji/K20110312000409660.html