静電気、しびれる謎を解明 名古屋工大グループ
2011年3月9日 11時01分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/images/2011030999105909.jpg 静電気を指先でビリッと感じると、電磁波が光速で体の表面を駆け巡っていく−。
名古屋工業大大学院の平田晃正准教授(情報工学)や藤原修教授らのグループは、静電気で電磁波が
人体を流れる経路を突き止めた。米電気電子学会誌の電子版に8日、発表した。
静電気を指先で感じると電磁波が流れることは予想されていたが、全身を巡ることは知られていなかった。
平田准教授は「今後、手を触れただけで通過できる改札の開発や、静電気による電子機器の誤作動防止などに
役立つ可能性がある」と話している。
研究グループはまず、脳や臓器、筋肉など精密な構造を持ったコンピューター内の人体モデルを活用。
外部からの刺激に対し、実際の人間と同じ反応が出るように設定した。
人体モデルに静電気を加えると、電磁波がほぼ光速の時速10億キロメートルで体の表面を伝わった。
指先から腕、胴体を通り、地面に引き寄せられて足に伝わり反射。今度は上に向かい、頭頂部から空気中に
発射されていった。静電気の発生から放出までの時間は約1億分の1秒だった。
その後、実際に人体でも検証。電磁波が通る体の部分に計測装置を付けると、コンピューターと同じ結果が出た。
これまで、人体を使う実験だけでは体に付ける計測装置の数に限界があり、正確な経路はつかめなかった。
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