和歌山県上富田町の上富田文化会館で6日、町民有志らによる創作劇「彦五郎物語」
(実行委員会主催、紀伊民報など後援)があった。子どもから大人までの出演者45人が
迫真の演技を見せ、会場は感動に包まれた。
氾濫の絶えない富田川を鎮めるため、自らいけにえになったという伝説の人物「彦五郎」
を題材にした物語。公演は昨年に続いて2度目で、今年は昼と夜に2回公演した。
合わせて約1300人が訪れた。
上富田町に住む現代の子どもたちが、偶然出会った男性に彦五郎がいた時代の話を聞く
シーンから物語は始まる。せりふに地域の方言を使い、富田川の氾濫に悩まされる人々
の様子や、彦五郎の恋の話、いけにえになるまでの葛藤を表現した。笑いを誘う場面も
多く、観客を引き付けた。
約1時間40分の公演が終わり、出演者が舞台に並ぶと、集まった人たちから大きな拍手
が送られた。
主役・彦五郎を演じた上富田町朝来、介護施設職員菅根克幸さん(21)は「すべてを出し
切り、出演者全員で納得できる演技ができた。達成感で胸がいっぱい」と笑顔を見せた。
昨年に続いて観賞した上富田町生馬、嵯峨睦さん(70)は「感動した。来年以降もぜひ
やってほしい」。上富田中学校2年生の梅田晴香さんは「彦五郎という人物がよく分かった。
感動して涙が出た。周りの人も泣いていた。出演していた友達の演技もすごかった」と話した。
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