Intelは今回の問題について、上記4種のチップセットがサポートするSATAポートのうち、影響
を受けるのは3GbpsのSATA 2.0に対応した4つのポート(SATA 2〜5)のみであるとしている。つま
り6Gbpsに対応したSATA 3.0ポート(上記4種のチップセットは0と1の2ポートを持つ)は影響を受
けない。これを受けて、2月の上旬の段階でIntelは、SATA 3.0ポートのみを利用する設計になっ
ていることを前提に、一部のOEM向けにB2ステップのチップセットの出荷を再開している。一時
は第2世代Coreプロセッサー・ファミリーの出荷さえ停止しており、Intelの最新プロセッサが完
全に干上がる事態になってしまったが、これで2月下旬から再び市場に第2世代Coreプロセッ
サー・ファミリーを搭載したシステムが供給されることになる見込みだ。
なお、問題を修正したB3ステップのチップセットの出荷も始まったようである。が、当面はそ
の供給は既出荷分(B2ステップ)の交換に優先的に充てられ、新規製品への採用にはもう少し時間がかかると言われている。
どうしてこのような問題が生じたのか、あるいは問題の直接の原因が何だったのか、Intelは
公式には明らかにしていない。が、インターネット上では、SATA 2.0ポートのPLL部のトランジ
スタに過電圧がかかってしまった、あるいはPLL部のトランジスタの材料に問題があった、など
と言われており、このあたりに問題があることは間違いないようだ。これにより、時間と共にト
ランジスタが劣化し、やがては(加速度試験によると3年以上の利用で問題が生じるという)SATA
2.0ポート(SATA 2〜5)が利用できなくなってしまう。SATA 3.0ポート(SATA 0および1)はコント
ローラーも、それにクロックを提供するPLL回路も別であるため、影響を受けない、ということ
である。それが、一部のOEMに対し出荷を再開した根拠となっている。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20110222_428441.html