大相撲の野球賭博事件で、客として金を賭けた疑いのある現役力士が、本場所の開催期間
中に賭博に参加していたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は同日、
現役十両力士ら計9人を賭博容疑で書類送検した。さらに関与を認める上申書を警視庁に
提出した力士ら二十数人の立件を検討しているほか、捜査の過程で浮上した八百長問題に
絡んだ相撲賭博がなかったか調べている。
捜査関係者によると、書類送検されたのは、十両の城ノ龍(27)=境川部屋=と大道
(28)=阿武松部屋=、幕下の大和富士(26)=同=、三段目の能登桜(25)=同=の
現役力士4人、阿武松部屋に所属していた元幕下の乾王(31)、元琴光喜(34)に対する
恐喝未遂罪などで公判中の山口組系暴力団幹部、安田善彦被告(46)や後援会関係者ら3
人。一連の野球賭博事件で、現役力士が立件されたのは初めて。
大道ら6人の送検容疑は2009年4〜5月、元幕下力士、山本俊作容疑者(35)ら胴元側
を通じプロ野球公式戦を対象にした賭博で計108万円を賭けた疑い。城ノ龍ら4人は昨年
5月、胴元役の古市貞秀容疑者(34)が開催した野球賭博で計20万円以上を賭けた疑い。
大和富士は両方の賭博に重複して参加した疑いがあるという。
このうち、城ノ龍が賭けた試合は昨年5月15日に行われたプロ野球公式戦で、両国
国技館(東京)で開かれた大相撲5月場所(5月9〜23日)の開催期間中だった。当時、
幕下だった城ノ龍は15日には取組が無かったが、同庁は本場所中にも現役力士らが野球
賭博を行っていた疑いがあるとみている。
山本容疑者ともともとの胴元だったとされる山口組系暴力団組長(故人)との間では、
現金数千万円の授受があったことが分かっている。警視庁は力士らを客とした野球賭博の
収益の一部が組長に上納された疑いがあるとみており、聴取に関与を認めている元琴光喜
らほかの二十数人についても、賭博行為の裏付け捜査を進めている。
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