「マンガ業界はこのまま行けば数年で崩壊する」―赤松健、徹底討論

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1 ポテト坊や(愛知県)

1月27日、「サルまん」などで知られる編集家で京都精華大学教授の竹熊健太郎氏と、漫画家の赤松健氏の対談が都内で行われた。

竹熊 最近は出版社の人たちもみんなコミケやコミティアに行ってますね。新人発掘という意味では効率がいいから。
── コミケ以外に、今ならWeb上で作品を公開する手もあるのでは?
竹熊 うん。例えば、「マヴォ」の表紙を描いた人は今40歳で、38歳で初めて漫画家デビューしたんですよ。
彼女は結婚するまで趣味で絵を描いていて、結婚して初めて自分のアニメーションや漫画をネットで発表し始めたら、
それが評判になって向こうから仕事が舞い込んでくるわけです。今、ネットからデビューしてる人が相当増えてますよね。
実際、若い編集者はみんなpixivを見ている。即戦力で使えるやつがいないかって。
赤松 それはアレですよね。pixivでトップ10の人に、描いてください描いてください、でもタダで、っていうんでしょ。
―― でも確かにpixiv出身の漫画家も何人か出てきましたね。
赤松 それはメジャー誌じゃないでしょ。
竹熊 そのメジャーの概念が変わると僕は思うんですよ。もう100万部売るとか、シリーズトータルで
2000万部っていうのはもしかするとなくなるんじゃないかな。赤松さんとか、それこそONE PIECEとか、
この辺りが最後になるんじゃないかなっていう。
赤松 それ私がさっき言ったのと同じことじゃないですか。やっぱり業界はポッキリ折れるんですよ。
竹熊 いや、だから、ただし5万部売ると。5万部は確実に売れるとなったら食えますよね。
そこそこ名があっても、年収600万円とか800万円で生活する漫画家が増えるということです。
赤松 漫画家だったら100万人に読んでもらって、年収が数億円とかいいじゃないですか。夢がないでしょう。

赤松 マガジンの場合、配属された新人編集者は先輩編集者に付くんですよ。その先輩編集者が、作家に対してここ直してよ、ところでお前どう思う? って質問して、漫画家と編集者が一緒になってその若手編集者を育てていくんですよ。
それでさえ何年か掛かるわけですし、新人漫画家を育てるにも何年もかかる。もうそんな暇はないです。今は即戦力の漫画家を持ってきて何とか売ってという状況ですから、育てている暇はないです。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1102/17/news019.html