「日本の科学者が酔っ払ってワインこぼしたらなんと超電導物質ができちゃったんだって!」、
「すげー!」―昨年7月、物質・材料研究機構と科学技術振興機構が発表した「お酒が誘発する鉄系超伝導」のニュースが海外でこんな逸話と化し、
楽しい話題を振りまいています。
超電導物質はほとんどの金属同様、電気を通します。ただし電気の通し方にひと癖あるんです。
金属はすべて、電気の流れに対しある程度の抵抗ありますよね。
ところが温度が下がると超電導物質の場合は抵抗がどんどん減っていって(つまり電導率が上がる)、極低温に達すると抵抗がゼロになるんですよ。
ある日のこと、日本の国立物材研究所の高野義彦氏はじめ研究者のみなさんは、化合物に熱湯をかけて4時間漬け、
超電導にする実験をやってる最中でした。化合物は水、エタノールにも漬けます。きっと順調に進んでいたんでしょうね。
みんなでちょっと一杯飲み会やることにしたんですからね。
飲み会で出たのは酒、ウィスキー、各種ワイン、焼酎、ビールなど。宴会が進んだところで、ひとつこの手元にあるありったけの種類の酒に化合物を漬けて、
他の普通の浸し液のものと比べてみようじゃないか、ということに相成りました。
結果得られた物質の超電導性をテストしてみたら、なんと市販の酒類に浸した方が電導率は高かったのです。
水・エタノール混合液に浸した物質は約 15%が超電導物質になったのに対し、焼酎は23%、
赤ワインはなんと62%超も超電導になってるじゃあーりませんか。科学者たちは思わぬ結果に困惑しながらも、大喜び。
というわけで何か一口飲むと超電導物質候補も発現の調子が上がって、科学者も仕事の調子が上がる(たぶん)というお話でした。
http://www.gizmodo.jp/2011/02/post_8483.html