超映画批評 「GANTZ、45点 せめて乳首くらい出さんかい、と私ではなくファンは思っているに違いない」

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1 ドンペンくん(栃木県)

『GANTZ』45点(100点満点中)
結論から言う。『GANTZ』は奥浩哉の同名大ヒットコミックの、満を持しての実写映画化だが、
相変わらずの邦画のダメっぷりが表れた残念賞である。ただし、希望はある。

原作はハリウッド映画をこよなく愛する奥浩哉の好みであろう、きわめてスケールの
大きなアクションとストーリーが魅力だが、現在も絶賛連載中。つまり未完──ということで、
この映画版は原作とは様々な設定、ストーリーが異なっている。

まず、原作からエロとグロの二大要素が大幅にスポイルされている。これはまずい。
映画はお茶の間テレビではないのだから、テレビドラマはもちろん、原作漫画の表現をすら
凌駕する過激な描写をするのがある種の使命のようなもの。誰だってそういう特別なものに
期待する(だからこそ金を払って見に行く)のに、この生ぬるさはなんだろう。

いくら女性客を集めたいからと言って、「GANTZ」を女性客向けにアレンジするのは間違っている。
客に合わせるのではなく、客を映画に合わせるくらいの根性がないのかと問いたい。

この映画の場合で言えば、製作側が想定する若い女性の見込み客に、むしろ「GANTZ」の
エログロな魅力をわからせるようにするくらいでなければいけないし、それが映画人としての腕の見せどころではないか。

たとえばヒロイン岸本恵を演じる夏菜は、全裸で「部屋」に転送されてくるのだが、
そのシーンのために数日前から下着類を一切身に着けなかったという。身体に跡が
つくのを嫌ったわけだが、見上げた役者魂ではないか。撮影時も全裸で挑んだのだが、
その努力を踏みにじるように完成した映画では乳首もヘアも何も出てこない。武田久美子の
寸止めグラビアじゃあるまいし、こんな不自然な演出はテレビのゴールデンタイムででもやっておけと、
全世界のガンツファン激怒である。ちなみにこの件では、あくまで私はGANTZファンの代弁を
しているだけであり、決して夏菜氏の大きいおっぱいが見たいといった、個人的感情によって
意見を表明しているわけではないことをここに記しておく。

http://movie.maeda-y.com/movie/01549.htm