大規模デモによる混乱が続くエジプトで、シャフィク首相は四日、中東の衛星放送アルアラビーヤに「大統領が権限を副大統領に譲ることはない」
と述べ、ムバラク大統領(82)が早期に退陣してスレイマン副大統領率いる暫定政権を樹立する可能性を否定した。
副大統領への禅譲案は、オバマ米政権がエジプト当局者と協議していると米紙が報じた内容だが、首相は、大統領が
副大統領に全権を移譲できる法的根拠が乏しい上「治安上の問題が起きる」と説明した。
一方、反大統領派が四日に実施した大規模デモは深夜まで続いたが、大統領支持派との大規模な衝突は確認されていない。
反大統領派は来週を「抵抗の週」と名付け、デモの続行を決めた。
政府は同日、午後五時から翌朝七時までだった夜間外出禁止令を午後七時から翌朝六時までに緩和し、通常通りの生活に戻るよう国民に促した。
また、AP通信によると、反大統領派に加わる国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏は同日、記者会見し
、ムバラク大統領が辞職して、野党勢力が主導する暫定政権が発足する場合は、スレイマン副大統領を受け入れる可能性を示した。
さらに「国民が望むなら(次期)大統領選の候補者になることを拒まない」と衛星放送アルジャジーラにあらためて強調した。
イスラム原理主義組織ムスリム同胞団や市民団体キファーヤなど、反大統領派各勢力は必ずしもまとまっておらず、エルバラダイ氏の意向で一致できるかは不透明だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011020502000171.html