元原潜艦長「えひめ丸追悼式に出たい。全責任を一生背負う。一家心中も考えた」
【ケーリー(米ノースカロライナ州)共同】米ハワイ・オアフ島沖で2001年、愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸に米原子力潜水艦グリーンビルが衝突した事故から9日で10年を迎えるのを前に、
原潜の当時の艦長スコット・ワドル氏(51)が自宅のあるノースカロライナ州で共同通信のインタビューに応じ「遺族が許してくれれば、今年の追悼式には初めて出席して謝罪したい。事故の責任は一生背負う」と心境を語った。
一方で「私が姿を見せることで遺族が不愉快な思いをしたり、多くの報道陣に囲まれて追悼式の会場を騒がせたりする事態は避けたい」と強調。遺族の間には反対論が根強く、実際に出席するのは困難とみられている。
ワドル氏は、事故について「多くの若者を死なせるという最悪の出来事だった」と振り返った。自責の念から、妻と当時13歳だった娘を道連れに心中することも真剣に考えたという。
今も頻繁に、事故に似た状況に置かれる悪夢に悩まされると告白。ワドル氏は「事故から10年を迎えても苦しみ続けている。ただ、愛する息子や夫を失った遺族のことを思えば、いくら私が謝り続けても許してくれない人がいることは理解できる」と話した。
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011020501000493.html