県の暫定税率署名協力訴訟 パーソン側、逆転敗訴
ガソリンの暫定税率維持を求める民間団体の依頼を受け、県職員が県内市町などに団体の署名活動への
協力を求めたのは違法だとして、市民オンブズパーソン栃木が県に対し、要請文の印刷代などの損害賠償を
求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。大竹たかし裁判長は「署名協力は県の分掌事務として
行われ、一部の者の利益のために行われたとは認められない」として、違法性を認めた一審宇都宮地裁判決
を取り消し、パーソン側の逆転敗訴を言い渡した。パーソン側は上告する方針。
判決によると、県交通政策課長(当時)は2008年、事務局を務める「北関東自動車道建設促進期成同盟会」
の事務として、女性団体からの依頼で県内自治体や県庁の関係課にメールで署名への協力を依頼、集まった
署名を団体に送付した。
判決は「法律は公務員の特定団体への活動協力を一切禁止するものではない」と指摘。「署名協力は同課が
担当する事務として暫定税率維持に関する業務に資する。公共の利益のために行われたものではないとは
いえない」などと判示した。
また公務員の政治的行為を制限した地方公務員法の規定にも「違反しない」とした。
一審判決は憲法などを踏まえ「特定の私的団体への活動協力は職務の範囲を逸脱する」と違法性を認めて
いた。福田富一知事は「主張が認められ、妥当な判決と考えている」とコメント。県の依頼に応じ町の用紙を
署名に使った点が「財産権の侵害」と認定され、控訴を断念した高橋克法町長も「控訴を断念しているので
コメントのしようがないが、県と町の主張は同じだったので、間接的に町の主張が認められたということになる」
と話した。
パーソン側は「特定の民間団体の署名に協力したことは間違いなく、不当な判決だ」としている。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110131/451458 依頼183