静岡県三島市の観光施設「楽寿園」から24日朝逃げたニホンザル「らっきー」が25日朝、捕獲された。
市が飼育していたらっきーが人に危害を加えれば「お騒がせ」では済まされず、
市が責任を問われる事態も予想されただけに、市はひとまず胸をなで下ろしている。
一方で、らっきーを観光資源として活用しようとしていた市にとっては、当のらっきーに管理の甘さを突かれ、冷水を浴びせられた格好だ。
同園は26日から開園するが、当面らっきーの公開は見合わせ、飼育や管理のあり方を慎重に検討する。
市によると、25日未明にらっきーの目撃情報が数件あり、同日午前7時10分頃、同市萩の民家駐車場で職員がらっきーを発見。
同園の男性飼育員がバナナなどを見せ、らっきーが毛繕いしたすきに羽交い締めにして捕獲した。
この飼育員が24日朝、らっきーのオリを掃除しようとした際にらっきーが脱走し、飼育員は責任を感じて徹夜でオリを見張っていた。捕獲できてほっとした様子だったという。
らっきーについては、昨年10月に捕獲された時点で「殺さないで」という“助命嘆願”が市民から相次ぎ、
襲われた120人近い被害者が微妙な感情を抱くことは容易に想像できたが、市はあえてらっきーを楽寿園で公開して観光資源とした。
それだけに今回の事態は市の失態以外の何物でもなく、市役所には「苦労して捕まえたのに逃がすとは何事か」などの苦情や批判が
24日に約50件、25日も約20件寄せられた。「名前がふさわしくない」「なぜ殺処分しないのか」など、
昨秋の市の判断に疑問を投げかける声も数件あった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110126-OYT1T00007.htm