00年代の絶望感は異常

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1 ちくまる(広島県)
第3回 同時多発テロとITバブル崩壊、先が見えない2000年代
さて、2000年代に入ると、米国で大きな出来事が続きました。ITバブルの崩壊と同時多発テロです。
米国では1990年代後半にインターネット関連のベンチャー企業が次々に登場し、華々しい成長を遂げていました。
これらは「ドットコム」企業と呼ばれてマーケットでもてはやされ、1999年から2000年にかけて株価が急騰しました。
なかでもネット関連銘柄が多いナスダック市場の盛り上がりはすごくて、
1996年には1000前後で推移していた株価指数が2000年3月には5000を超えました。
この頃には「今後は大きな景気後退が起こりにくい」というような「ニューエコノミー論」もまことしやかにささやかれました。
ところが2001年に入ると、多くのドットコム企業が、実は売上も利益も伴わない会社だったということが世間に知れるようになり、
株価は急落し、バブルが弾けてしまいました。
当時、日本でもインターネットブームが起こり始めていましたが、日本経済はバブル崩壊後の景気低迷を引きずっていたためIT企業への投資も米国ほど盛り上がりませんでした。
それが幸いして、日本でのITバブル崩壊の影響はそれほど深刻ではなかったのです。
そして、2001年9月11日に、米国で同時多発テロが起きました。ご記憶の方も多いと思いますが、
テロの直後は株価が乱高下して、数日間はニューヨーク証券取引所が取引停止になるなど、金融市場は大混乱しました。
けれども、その後のイラク戦争に伴う需要拡大などもあり、世界経済は中長期的には回復へと向かいました。
日本経済への直接的なダメージも限定的でした。
というより、日本経済は97年からの金融危機の処理に手一杯でそれどころではなかったと言ったほうがよいかもしれません。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101202/253520/