回転ずし業界で下克上が起きた。2010年下半期(7〜12月)の売上高で、
「スシロー」を展開するあきんどスシロー(大阪)が、「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイト(埼玉)を抜き去って首位に立ったのだ。
勝因は「素材の良さ」というから、回転ずしでは安さよりもネタのほうが重視されるようだ。
月速報値によると、スシローの10年7〜12月の売上高が前年同期比20%増の462億円だったのに対して、
かっぱ寿司は同9%増の455億円。業界トップを走り続けてきたかっぱ寿司を、後発のスシローがついに追い抜いた。
回転ずしというと安さが目立ちがちだが、
スシローは一貫105円でトロを提供するなど素材重視の路線に転換。
為替市場の円高進行でマグロが安く輸入できることも追い風になり、業績の大幅向上につながった。
一方、かっぱ寿司は1皿に均一料金(通常料金は105円)を導入したパイオニア。
握りずしだけでなく、サイドメニューやデザートも提供することで、子供から大人まで幅広い年齢層から支持されてきた。
ただ、「かっぱ寿司は平日1皿90円のキャンペーンを行ったものの、大幅な来店者増につながらず、
客単価の低下を招いた」(業界関係者)と、営業戦略のミスを指摘する声もある。
10年の年間売上高(1〜12月)では、かっぱ寿司がなんとか首位を維持したが、
スシローとの差はわずか8億円。09年の差が55億円だったことを考えると、一気に肉薄している。
この勢いが続いた場合、11年は年間でもスシローに追い抜かれる可能性がある。
業界内の競争は激化しており、
3位の「くら寿司」を展開するくらコーポレーション(大阪)は10年10月期決算で最高益を記録。
「銚子丸」なども業績が好調だ。
下克上といえば、人気アイドルグループ「AKB48」が有名。メンバー同士が激しく競い合い、
昨年実施された人気投票で、大島優子(22)がそれまでトップだった前田敦子(19)を破り、話題になった。
回転ずし業界もまさにAKB状態で、同業者同士が日々激しくしのぎを削っている。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110114/dms1101141227002-n1.htm