物議を醸す発言を連発し、参院で問責決議を受けた仙谷官房長官をはじめ、尖閣ビデオの流出問題の
対応に追われた馬淵国土交通相、非常時の対応が問題にされた岡崎トミ子・国家公安委員長の3人が14日、
内閣を去ることになった。
ねじれ国会を乗り切るため、という面もあり、それぞれ課題を残しての降板。記者会見では、反省や無念の言葉も漏れた。
弁護士としての法律知識を背景にした、老練で押しの強い答弁。国会では菅首相よりも目立ち、「影の首相」とも
やゆされた仙谷氏は、14日の会見で「私は巷間
こうかん
言われているほど、あえて異論を唱えて事を荒立てることをやるような人間ではなく、(本当は)妥協が過ぎるくらいですよ」と
言ってみせ、口元にちらりと笑みを浮かべた。
2009年9月の政権交代後、行政刷新相や国家戦略相を歴任した仙谷氏は、昨年6月の菅内閣発足と同時に官房長官に
就任。当初は手堅い受け答えで菅首相を支えていたが、民主党代表選で菅首相が圧勝した後の同9月の内閣改造で
再任されてから、その発言が物議を醸すようになった。
10月には、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での中国人船長釈放について、国会で自民党議員から非難されると、
「別に弱腰だとは思っていない。『柳腰』というしたたかな腰の入れ方もある」と答弁。細くてしなやかな女性の体つきを指す
「柳腰」という言葉を外交手法のたとえに用いたと論議を呼んだ。同じ月、政府参考人として国会で民主党の天下り問題への
取り組みを批判した経済産業省幹部について「こういう場に呼び出すやり方は、彼の将来を傷つけると思う」と述べ、
自民党側から「どう喝だ」と批判された。翌11月には、やはり国会で、自衛隊について「暴力装置」と発言。直後に撤回し、
謝罪する一幕もあった。14日の“お別れ会見”では、「私は気が弱いところがある。(本当は)人を傷つけてはいけない
という気持ちがあった」と振り返った。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110114-OYT1T00612.htm