「にゃんこい!」 「おまもりひまり」 「迷い猫オーバーラン!」 猫アニメはどれも名作

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1 さいにち君(チベット自治区)
 『迷い猫オーバーラン!』のアニメは原作をほぼ使わず、各話監督制にする代わりに、シリーズ構成に僕の名前を入れていただいて
「全部原作者がやったことなので、責任は原作者にあります」という形にしてもらいました。
かなり無茶をしていただいたのですが、結果としてセールス的にも評判的にも放送枠やプロダクトの平均よりはかなり良い数字となりました。

漫画版『迷い猫オーバーラン!』 僕は『迷い猫オーバーラン!』のメディアミックスに関しては非常に恵まれていて、
漫画化の方に至っては幸運にも『週刊少年ジャンプ』で人気作を連載していた先生(矢吹健太朗氏)に描いてもらえました。
でも、やっぱりそれは希少な例なんですよ。原作者の僕にゲームやアニメのシナリオライターとしての経験があったので、
「これはすべてお任せします」「これとこれとこれ以外は見ません」みたいなチェック機能についても関係が作れたので、うまくいっただけです。

 ぶっちゃけて言うと、『迷い猫オーバーラン!』の原作自体の販売部数は普通なんですね。それくらい売れている作品は同時期に10作くらいは走っているんです。
そういう中でメディアミックスする作品として選んでもらって、さらにメディアミックスした後も評価してもらうためには、
メディアミックスする側が新しい工夫や冒険をしてくれないとなかなかうまくいかないという状況に今はなっているのかなと思います。

 最後にメディアミックスされる側の作家として心がけたいことがあるとすれば、新たなコンテンツの種になる作品を生み出すためには、現在アニメ化されている作品の類似作ではなく、
新たな市場を感じさせるようなものを書くことが理想だろうと思うのです。「アニメ化されたい」と思うと、アニメっぽい作品を書いてしまうわけですよ(笑)。

 つまり、アニメで見たようなものを書くという不思議な現象が起きていて、「これは下手をすると作家側からメディアミックスを縮小させているぞ」という恐怖感が今あります。
そのためメディアミックスされることにこだわらず、自由な発想で作られた作品がむしろ突破口を開いていくのかなと感じているので、僕を含めた作家側はなるべく冒険をした方がいいのかなと思っています。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1012/31/news001_4.html