民主党「政権交代で日本が良くなったことを国民は自覚すべき」

政権維持の天王山で迎えた総選挙
総理菅が大量失言、仙谷も勢いを見せず選挙は惨敗だった
党本部に響く落選議員のため息、どこからか聞こえる「１００議席も危ういな」の声
無言で帰り始める今日からただの人になった前議員たちの中、昨年の総理大臣鳩山は独り控え室で泣いていた
総理時代に手にした栄光、喜び、感動、そして何より信頼できるバラク・・・
それを今の民主党で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」鳩山は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、鳩山ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいパイプ椅子の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って選挙担当者を友愛しなきゃな」鳩山は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、鳩山はふと気付いた

「あれ・・・？マスコミがいる・・・？」
控え室から飛び出した鳩山が目にしたのは、入り口まで埋めつくさんばかりのマスコミと議員たちだった
千切れそうなほどに中国国旗が振られ、地鳴りのように万歳が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする鳩山の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「鳩山総理！勝利の弁だ！早く行くぞ」声の方に振り返った鳩山は目を疑った
「は・・・羽田さん？歩けるんですか？」 　「なんだ鳩山、居眠りでもしてたのか？」
「お・・・小沢さん？裁判はいいんですか？」 　「なんだ鳩山、かってに小沢さんを裁判に出しやがって」
「石井一さん・・・」 　内川は半分パニックになりながら候補者リストを見上げた
当選の花のついた小沢・海江田・原口・R4・長妻・をはじめとする300もの候補と落選した菅
暫時、唖然としていた鳩山だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「作れる…友愛の海が作れるんだ！」
マイクを受け取り、記者会見場へ全力疾走する鳩山、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、御殿で冷たくなっている鳩山が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った