楽天の仁村徹2軍監督が来季から1軍作戦コーチに転任することが23日、球団関係者の話でわかった。
早ければ年内にも就任が決まる見通しだ。田淵幸一ヘッド兼打撃コーチに次ぐナンバー3のポストで、
星野仙一監督が中日、阪神監督時代に故島野育夫氏が担っていた作戦参謀役を引き継ぐ。
2軍監督の後任には徹氏の兄の仁村薫2軍総合コーチが就く見通し。
闘将・星野監督が“ポスト島野”に仁村徹2軍監督を指名した。
既に1軍作戦コーチを要請しており、遅くとも来年1月中旬のコーチ会議までには正式決定される見通しだ。
「球団は作戦参謀になり得る人材を探していた。その意味では徹氏は中日時代から星野監督の懐刀。
性格や采配をよく把握している」と球団関係者。
野手では米大リーグ帰りの松井稼、岩村の補強に成功し、
投手ではポスティングシステム(入札制度)での大リーグ移籍を目指したエース岩隈がチーム残留を決断。
優勝できる人材が整ったことで、念には念を入れてコーチ人事 にメスを入れたもようだ。
星野監督が中日、阪神の指揮官時代に名参謀として全幅の信頼を置いていたのが島野氏。
監督と選手の間に立ってパイプ役を務め、作戦を立案する役目も担った。
ところが07年12月に胃がんのため63歳の若さで死去。
直後の北京五輪で星野ジャパンがメダルを奪えなかったのも、島野氏に代わる作戦参謀の不在が影響したと指摘されたこともあった。
1軍作戦コーチの要請を受けた徹氏は星野監督との共通点が多い。
中日時代には野手のイメージが強いが、もともとは投手で入団。
中日2軍監督時代には当時1軍監督の星野監督をして「怒らせたら徹の方が怖い」と言わしめたほどの熱血漢だった。
楽天の2軍監督に就任した今年7月には慢性硬膜下血腫で一時休養したものの元気に復帰し、
シーズン終盤までファームの優勝争いを演じた。
また、若手の指導にも定評があり、楽天の2軍選手らも「技術や作戦を含めて野球の知識がハンパでない。
引き出しがとてつもなく多い」と心酔するほどだ。
星野監督は中日時代に自身の後継者として徹氏を推していたといわれ、
将来的には楽天の次期指揮官に指名する可能性も。自分のそばに置いて“帝王学” を学ばせる狙いもあるようだ。
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