電源切っても情報忘れぬトランジスタ 電力100分の1
物質・材料研究機構など 脳型コンピューターに道
2010/12/24 0:00
物質・材料研究機構などは、電源を切っても直前の状態を覚え、次に素早く使える新タイプのトランジスタ
を開発した。消費電力が従来の演算素子の100分の1で済み、起動時間ゼロのパソコンや、
人間の脳のようなコンピューターにつながる技術という。応用物理学会の国際科学誌アプライド・フィジックス・
エクスプレス(電子版)に24日発表される。
科学技術振興機構の事業として大阪大、東京大と共同開発。将来は脳の神経細胞網が成長を続けるように、
回路が自分で学習を重ねていく脳型コンピューターができると期待している。
開発したのは「アトム(原子)トランジスタ」。数十個の金属原子を動かして回路をつないだり、切ったりする。
原子を動かすだけなので、消費電力が少ない。
通常の半導体トランジスタは電源を切ると初期状態に戻るが、アトム・トランジスタは電源を切っても
つないだ状態を維持できる。
http://s.nikkei.com/hL4s8K