厳冬のロシア東部シベリアで、サーカスのクマ4頭がトラックで移動中にもかかわらず冬眠に入ってしまった。
世話係が濃い紅茶やチョコレートキャンデーを与えるなど眠らないようにあの手この手を尽くしたが、自然の
摂理には勝てなかったようだ。ロシア国営通信RIAノーボスチ(電子版)が、21日までに伝えた。
同通信によると、サーカスは巨大なトラックでシベリア地方のイルクーツクからウラジオストクまで約4500キロの
長旅に出た。ロシアのサーカスといえば曲芸をするクマは欠かせない。トラックにはワーリャ、マニャーシャ、リャリャ、
リューシャの4頭のメスのクマも乗せられていた。
途中でトラックが故障したこともあって旅は8日間におよび、しかも、シベリアは厳冬期。12月の月平均気温は
イルクーツクがマイナス18度前後、ウラジオストクでもマイナス10度前後になる。
トレーナーはクマが眠らないようにカフェインがたっぷり入っている濃い紅茶やチョコレートキャンデーを大量に与えた。
しかし、効果はなく、4頭は次々に冬眠に入ってしまったという。
上野動物園教育普及係の井田素靖(もとやす)さん(57)は「クマは気温が下がり、食物がなくなることで冬眠に
入るが、雑音や振動を嫌う。そのためトラックが停止し、静かな状態が続いているときに冬眠したのではないか」と
話している。
http://www.sanspo.com/shakai/news/101222/sha1012220504007-n1.htm