今年で最後、練習に熱 三重中京短大生が23日にミュージカル
2010年12月12日
ミュージカルの本番に向け、練習を重ねる学生たち=松阪コミュニティ文化センターで
松阪市の三重中京大短期大学部こども学科の2年生たちが23日、創作ミュージカル「スズと野獣のさがしもの」を上演する。
今春から新入生の募集を停止した同短大では、現在の2年生が最後の卒業生。13年前から続く舞台も今年で幕を閉じる。
学生たちは「先輩の築いた伝統をかみしめ、最後にふさわしい舞台にしたい」と練習に励んでいる。 (石原猛)
保育士や幼稚園教諭などを養成する同学科では1997年から、卒業制作を兼ねて学生たちがミュージカルを上演している。
2年生に進級すると、実行委員を中心に脚本作りを始め、半年近くかけて練習を重ねる。
舞台づくりを通して、子どもを引きつける表現力や、仲間とのチームワークを学んでいく。
今年のミュージカルに込めたテーマは「他人を思いやることの大切さ」。
主人公の女の子スズが不思議な本の世界を旅する物語で、本の中で出会った野獣バロンと困難を乗り越え、勇気や優しさを身に付ける。
脚本を書き、舞台の演出も担う下村揚平さん(20)=松阪市=は「子どもたちに思いが伝わるよう、何度も細部を書き直した」。
スズを演じる西村千晶さん(20)=大紀町=は「感情がこもった演技で、子どもたちが共感できれば」と力を込める。
現在の2年生たちは、入学直後に大学の廃校方針を知らされた。「入ったばかりの学校が無くなると聞いて、本当にショックだった」と、
実行委員長の阪野慎治さん(26)=愛知県出身=は振り返る。
「最後のミュージカルとして、胸を張れる舞台を作り上げたい」と全力を注ぐ。
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20101212/CK2010121202000127.html