MLBのWBC利益独占変わらず、足元見られて逆らえず
来日中の大リーグ機構(MLB)のポール・アーチー国際ビジネス担当取締役が8日、加藤良三コミッショナーを表敬訪問。
13年に予定される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に関して触れた。が、MLBのWBC利益独占は変わらない。
「日本にきたので、表敬訪問です。2013年のWBCには触れている」というアーチー氏。会談後、
日本サイドから不満が噴出しているMLBが独占状態の利益配分に関しての報道陣の質問を一蹴している。
「財政上の問題はない。透明性があり、公開している。参加しているチームに公平に提供している」と、なんの問題もないことを強調した。
「日本は過去2大会優勝したチームだし、参加してほしい」と言いながらもこう明言する。
「日本が参加しなくても2013年のWBCは16チームから拡大、28チームにして開催します」と。過去2大会、莫大(ばくだい)な
ジャパンマネーを吸収して成功を収めているのに、日本抜きでも開催するという強気一点張りの姿勢をアピールした。
06年の第1回大会ではMLBと大リーグ選手会が純利益金の17・5%ずつ、日本は7%という配分。
昨年の第2回大会は、MLB、大リーグ選手会が33%ずつ、日本は13%。しかも、日本ラウンドでのテレビの放映権料などすべてMLBに吸い上げられる。
「日本が2大会優勝しても、もうかるわけではない。主催のMLBが丸太りするだけだ。MLBのためのWBCだから」と関係者が憤るのが現状だ。
が、MLB側は「WBCは世界的にディスプレーする。五輪に野球がないのを念頭に入れている」と、日本の足元を見ている。
現在野球界の世界的な国際大会はWBCしかない。王ジャパン、侍ジャパンが連覇して大いに盛り上がっている日本とすれば、WBCに背を向けることができない現実がある。
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20101209/bbl1012091232002-n1.htm