毎日変態新聞 「あかつき失敗で、日本は宇宙先進国から転落へ」
[あかつき]日本の惑星探査に暗雲 軌道投入に失敗
2010年12月08日13時33分 提供:毎日新聞
探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入は失敗に終わった。98年打ち上げの火星探査機
「のぞみ」の失敗に続く再挑戦も実らなかったことで、今後、日本の惑星探査計画に暗雲が垂れ
こめる事態は避けられない。
日本初の惑星探査を目指して98年に打ち上げられた火星探査機「のぞみ」は、通信機の電源
系統が故障し、軌道投入を断念した。
後継機には、通信機器の電源を2台積んだり、姿勢が乱れても機能するアンテナに改良するな
ど、過去の失敗の原因を分析し反映させた。「数々の失敗を乗り越えた小惑星探査機『はやぶさ』
の生還がその好例」と、関係者はあかつきの成功にも自信をのぞかせていた。
あかつきは6種類の観測装置を搭載。厚さ約90キロもの硫酸の雲を透過して地上の火山の活
動状態を調べるなど詳しい観測を行う予定だった。自転より速い秒速100メートルの東風が吹く
「スーパーローテーション(超回転)」と呼ばれる謎の現象の解明が期待されていた。
政府の事業仕分けなどで宇宙事業はやり玉に挙がっている。あかつきは開発と打ち上げで約250
億円を投入しており、「成果がない」との批判が出ることは必至だ。JAXAの管理体制など独立行政
法人の見直し論に発展する可能性もある。中国など新興国の追い上げは著しく、「宇宙先進国」の
座からの転落を招くおそれもありそうだ。【山田大輔】
http://news.livedoor.com/article/detail/5193539/