民主党「増税によって国民の消費を抑えることができ、環境保全に繋がる」

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 年越しそば(兵庫県)

民主党税制改正プロジェクトチーム(PT)は二十四日、地球温暖化対策税(環境税)の基本方針案を取りまとめた。
二〇一一年度に導入し、税収規模は二千四百億円を見込む。
今月末にも政府税制調査会へ提言するが、産業界や党内には反対意見や負担軽減を求める声が根強く、実現には曲折が予想される。

 政府が今年六月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で掲げた通り、三〇年の二酸化炭素(CO2)排出量を一九九〇年比で30%減らすのが導入の目的。
原油や石炭など、すべての化石燃料に輸入段階などで掛かる現行の「石油石炭税」を約五割引き上げて、CO2排出量に応じて課税し、化石燃料の消費抑制を促す。
景気への配慮から、税率引き上げは段階的に行う経過措置も求めた。

 税収は温暖化防止と経済成長を両立させる対策に充てる。
ただ使途を限った特定財源とするか、限定しない一般財源とするかは政府税調に委ねた。

 民主党が昨年の衆院選マニフェストで廃止を明記したガソリン税と軽油引取税の旧暫定税率分については、厳しい財政事情を踏まえ、
一一年度は一般財源として現行水準を維持すべきだとした。
検討責任者の中塚一宏衆院議員は「財政事情が上向いた時は、廃止すべきだと思う」との考えを示した。

 PTは、環境税導入でガソリンや軽油は一リットル当たり約〇・八円値上がりすると試算し、値上がり分と同程度の税率を引き下げ負担が増えないよう求めた。

 ただ、経済界が「安易な導入には反対」との姿勢を崩しておらず、
この日のPT総会でも「増税すると、製造業は国内でやっていけない」「灯油を多く使う寒冷地に配慮が必要」といった声が出た。
家計にとっても電気料金の値上がりなどで負担増となる可能性があり、税調での調整は難航しそうだ。

 環境関連税制をめぐっては、総務省が創設を目指す「環境自動車税」について、政府税調が一一年度税制改正の対象とはせず、
議論を来年に先送りする方針を決めている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2010112502000028.html