うどんチェーン店「どん兵衛」、日清と店名変更で和解へ
2010年11月20日5時6分
うどんチェーン「どん兵衛」がメニューに使っている表示
日清食品グループの即席めん「どん兵衛」
日清食品(大阪市)などが「即席めん『どん兵衛』と同じ名称で営業されて損害を被った」として、
山口県萩市のうどんチェーン「どん兵衛」に店名として使わないことなどを求める訴訟を大阪地裁
(山田陽三裁判長)に起こし、22日にも和解することがわかった。同チェーン側が店名を「安兵衛
(やすべえ)」か「萩之家(はぎのや)」に変え、社名も変更。一方の日清側も1億1千万円の賠償
請求を取り下げるという。
日清側によると、どん兵衛の名前はうどんやどんぶりの「どん」と、かつて人名によく使われた
「兵衛」を組み合わせた。その上で1976年に「どん兵衛きつねうどん」を発売して以降、昨年度
までに約74億食販売したと主張。「同じめん類を扱う店の名前などに使われると混同されたり、日
清側と取引がある店舗と誤解されたりする」としていた。
これに対し、同チェーン側は名前の由来については日清側とほぼ同じ立場をとった上で、「81年
ごろから中国地方を中心に出店し、現在は20店のメニュー、看板などに『どん兵衛』を使っている。
いずれも手打ちうどんで、日清ブランドを借りたのではない」と反論していた。
両者は今年1月ごろから解決に向けて話し合いをしていたがまとまらず、日清側が7月に提訴。口
頭弁論は一度も開かれず、同チェーンが(1)店名を「安兵衛」か「萩之家」に変える(2)看板な
どの表示からも削除する(3)社名も変更する――ことなどで和解することになったという。
朝日新聞の取材に対し、日清側は「紛争の長期化は望まない」、同チェーン側は「大企業と(訴訟
で)争っても時間や費用が無駄になる」と説明している。(岡本玄)
http://www.asahi.com/national/update/1120/OSK201011190196.html