■事務所引き払い「遠隔指示」
午後1時、オフィス街では昼休みが終わり、社員が一斉に仕事を再開する。
しかし、無線通信機器メーカーのクオンタムリープテクノロジー(QLT、長野県塩尻市)の社長、小川洋史さんは都内の自宅でパソコンの前に座っている。
服装はラフなシャツとズボン。パソコン画面に映った社員に無料の通信ソフトを使って業務を指示する。
総務担当の木村雅彦さんの自宅は埼玉県上尾市。以前は八丁堀のオフィスまで通勤に片道1時間半かかっていた。
自宅勤務になったことで、通勤時間は自由時間に変わった。最近は近くの畑を借りてダイコンやニンジンを育てている。
経理の小川直利さんも「朝夕食を家族と取れるようになった」という。
社員が様々な場所で働いていても業務をスムーズにこなせるようにするため、スケジュール管理や事業決裁などの仕組みにはすべてクラウド上のシステムを使った。
一部、自社に合わせたカスタマイズが必要だったが、インフラは格安で構築できた。
オフィスの賃借料や社員への交通費など、コストは大幅に減った。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E2E6E29AE08DE2E7E3E3E0E2E3E28A84E0E2E2E2