神奈川県内の公立中学校での暴力行為が増えている。教師を殴って刑事事件となるケースもある。
かつての校内暴力とは、状況や背景が違ってきているという。現場で何が起きているのか。学校を訪ねた。(山本孝興)
■授業中も教師が見回り
横浜市内のある中学校。同校では今年、男子生徒が男性教師を殴り、けがを負わせていた。
校長の案内で校内を歩く。授業中なのに廊下に2人の男子生徒がいた。校長が2人にあいさつする。
続けて、記者も「おはようございます」とあいさつしてみた。赤い髪の男子生徒が返した言葉は「キモッ!」……。
男子トイレに入ると、たばこのにおいが鼻をついた。大便用の個室の扉は、壊され外されたままだ。便器の下に、たばこの吸い殻が1本落ちていた。
廊下の天井には激しく突かれて出来た30センチほどの穴が数カ所空いていた。
卓球練習場のドアガラスは割られ、代わりに段ボールが張られていた。中をのぞくと並んだ卓球台の下に飲みかけのペットボトルや紙くずが散乱。
「私が赴任した4月には、この状態でした」と校長はつぶやいた。
校舎内を歩いて、常に教師らが歩き回っているのに気付いた。
「職員室にいるのはいつも2、3人。時間がある人はこうやって見回ってます」と校長。
そして、「何か起きたとき、すぐに対応できるようにね」と付け加えた。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201011090269.html