長崎の離島、大気汚染深刻 粒子状物質大陸から飛来か
排ガスなどに含まれ健康被害を引き起こす微小粒子状物質(PM2・5)の大気中濃度が、
長崎市の西約100キロの東シナ海にある長崎県・福江島で環境基準を上回り、深刻な
大気汚染に見舞われているとの観測結果を、海洋研究開発機構がまとめた。
国内の学会誌に10日付で発表した。
PM2・5は、直径2・5マイクロメートル(1マイクロメートルは千分の1ミリ)以下の粒子。
福江島は日本国内の都市や工場地帯の影響は小さく、ユーラシア大陸方面からの飛来と推定されるという。
機構の研究チームは福江島の観測施設で昨年9月から1年間、PM2・5の大気中の濃度を測定し、
気象データと合わせて解析。その結果、1日の平均値が基準レベルを超過したのは26日あり、
環境基準で定める「8日未満」を大幅に上回っていた。
26日のうち、黄砂など自然の粒子は飛来していなかった日が18日あり、研究チームは環境基準を
達成できない原因は排ガスに含まれるすすや、硫黄酸化物が大気中で化学変化を起こした
硫酸アンモニウムなどの影響が大きいと結論付けた。
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110901000966.html