カトリック夙川教会救って あす寄付募るコンサート 修復と耐震補強1億円
尖塔の美しさが目を引くカトリック夙川教会の聖堂(西宮市霞町で)
被災翌日の聖堂の内部。パイプオルガンが2階から落下し、壊れていた(カトリック夙川教会提供)
阪神大震災で被災した「カトリック夙川教会」(西宮市霞町)が6日、修復と耐震補強の工事費を募る「チャリティーコンサート」を開く。
高さ約33メートルの尖塔(せんとう)が美しいネオ・ゴシック様式の聖堂。
夙川のランドマークとして住民に親しまれ、文豪・遠藤周作が少年期に洗礼を受けたことでも知られるが、
費用は約1億円以上と巨額で、教会が協力を呼び掛けている。
教会は、1921年にフランス人神父によって現在の市役所付近で設立され、32年に現在地に移った。
信徒らが毎日の礼拝に足を運ぶほか、美しいステンドグラスを目的に観光客も多数訪れる。
聖堂は地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、
2009年には、夙川の景観を特徴づける建物として、市都市景観形成建築物に指定された。
95年の震災では、屋根瓦や壁の一部が剥落(はくらく)。
94年末に信徒から寄付を受けた直後のパイプオルガンも2階から落下し、破損した。
約1億円を投じ、半年後に聖堂はおおむね原状回復したが、現在も耐震強度が足りず、
老朽化でステンドグラスや壁がひび割れ、水漏れもあり、本格的に修復することとした。
教会ではエレベーター設置も検討しており、
積み立てやバザーの収益では不足するため、より多くの人に協力を呼びかけようとコンサートを企画。
当日は午後2時から教会聖歌隊など4団体が聖歌や賛美歌を合唱。会場で募金を呼び掛ける。
梅原彰神父(72)は「礼拝などで多くの人が訪れる場所で、安全対策は不可欠。
信徒、地域のためにも教会を残したいので、協力してほしい」と話している。
コンサートは、定員350人で、無料。問い合わせは、教会(0798・22・1649)へ。
(2010年11月5日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20101105-OYT8T00091.htm カトリックは金持ちの宗教ってイメージがあるが(聖堂・聖像・贖宥状…)実際はキリスト教の中で一番財政的負担が軽いらしい。