エジプトのコプト教教皇、「脅迫が宗教一致へ押しやる」
【カイロ鈴木眞吉】エジプトのキリスト教(コプト教)の教皇シェヌダV世は3日夜、カイロ市内のセント・マルコ教会で説教し、国際テロ組織アルカイダ系武装組織による同教会への脅迫は、
“呪い”でもあったが、キリスト教とイスラム教を協力させ、国内の宗教一致を助ける働きをしたとして「一種の“祝福”」でもあったとの見方を表明した。
アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アル・アラビアが4日、報じた。
イラクの首都バグダッドで先月31日、同市内のカトリック教会が礼拝中にイラクのアルカイダ系武装組織「イラク・イスラム国」に襲撃され、信者ら58人が死亡する事件があったが、
同事件は同組織が、イスラム教に改宗したと噂されるコプト教徒のエジプト人女性2人の解放をコプト教会に要求、「48時間以内に解放しなければ、
中東地域のキリスト教会を攻撃する」と脅迫、「期限が切れた」として攻撃に踏み切ったことにより発生したもの。
女性2人はいずれもコプト教指導者の妻で、コプト教は離婚を認めないことから、同武装組織は、「夫の下に隔離されている」と主張している。
同組織は、「(解放要求期限が切れたことから)、エジプトの全キリスト教徒は、標的として正当化される」と指摘、「エジプト国内で、(イラクと同様の)攻撃を行う」と脅迫している。
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/101105-203850.html