尖閣諸島で解決したい未解決事件

モンタージュ　１　[作]渡辺潤

■父はあの３億円事件の犯人！？
１２０点以上にのぼる遺留品を残しながら、未（いま）だ真相は闇の中。
幾度となく小説化、映画化されてきた世紀の未解決事件「３億円事件」に迫るのは、
まさに事件が起きた１９６８年１２月１０日に生まれたという『代紋ＴＡＫＥ２』の渡辺潤だ。

主人公の大和は、小学生のときに見知らぬ男から「おまえの父親は３億円事件の犯人だ」と告げられる。
その数日後、父の遺体が東京湾に浮かんだ。身寄りのない大和は、家族ぐるみで付き合いのあった家に引き取られるが、
その６年後、またもや３億円事件の影が大和にしのびよる。

わずか１０歳で衝撃の事実を突き付けられた大和は、常に物思う青年へと成長するが、
事件に巻き込まれていくことで、冴（さ）えたカンと行動力を見せるようになる。
そんな主人公の視点で読者が目にするのは、リュックに大量に詰め込まれた血染めの札束。ついには、さらなる殺人事件も起こり――。
物語は世紀の未解決事件の表層から最深部へとねじれながら進んでいく。
「父親は本当に犯人なのか？」という息子の疑惑と、「ならば、その真の動機と目的は？」「事件の背後にひそむものは？」という我々の興味と共に。

現在の貨幣価値で数十億円といわれるカネに翻弄（ほんろう）された人々の底知れない業の深さ、
親子の葛藤（かっとう）といった人間ドラマとしても楽しめるクライムサスペンス。数ある３億円事件をモチーフにした作品群のなかで、決定打となるか！？

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初出は「ヤングマガジン」

http://book.asahi.com/comic/TKY201011030190.html

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