最も発達した金融市場番付:米が首位返り咲き、英2位−日本9位維持
11月4日(ブルームバーグ):金融市場の発達の度合いを示す指数で、米国は英国からトップの座を奪い、首位に返り咲いた。香港は、金融システムの安定度が増したことで順位を上げた。
世界経済フォーラム(WEF)の「2010年金融発達度リポート」によると、米国は57カ国中でトップとなった。英国は2位、香港が3位だった。
香港と、2年連続で4位だったシンガポールは「制度と事業面の環境の健全性」に加え、「金融システムの高い安定度」が強味とみなされた。
米国と英国は、企業の合併・買収(M&A)や証券化といったノンバンキング金融サービスや金融市場での優越性を理由に最上級の番付を獲得した。ただ、金融安定や事業環境の面では弱さを指摘された。
世界経済フォーラムUSAのケビン・スタインバーグ最高執行責任者(COO)は
「米国と英国が高い番付を得たのは、法人向け市場が活発で厚みがあるためだが、いくつかの悪い前兆は両国の主導的地位が安泰ではないことを示している」と指摘。
「金融安定の評価が低いほか、米英とも、税制度や銀行の効率性など事業環境が弱い」と説明した。
金融安定は、通貨危機やシステミックな銀行危機、ソブリン債危機に陥るリスクを調査される。
報告書は「金融発達」を「効率的な金融仲介や市場につながる要素・政策・制度と、資本・金融サービスへの幅広く厚みのあるアクセス」と定義している。
金融発達度指数の上位10カ国は以下の通り。
2010年番付 2009年番付
U.S. 1 3
U.K. 2 1
Hong Kong SAR 3 5
Singapore 4 4
Australia 5 2
Canada 6 6
Netherlands 7 8
Switzerland 8 7
Japan 9 9
Belgium 10 13
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aaiMrWKpOWIo