政策コンテスト:高速無料化「不要」82% 意見36万件
政府は4日、11年度予算の配分で各省が政策を競い合う「政策コンテスト」の実施に向けて、関係閣僚らによる「評価会議」の第2回会合を開催した。
会議ではコンテスト対象事業に対して国民から36万2232件の意見が寄せられたことが報告され、
10、12、13日の3日間の日程で各省から公開ヒアリングを実施することを決定した。
対象は、新成長戦略などの施策に重点化する「元気な日本復活特別枠」に対し、各省が要望した189事業。
特別枠の規模は「1兆円を相当程度超える額」としているが、要望額は計2・9兆円に上り、大幅な絞り込みが必要となる。
国民からの意見募集は9月28日〜10月19日に実施。全体の8割弱に当たる28万3448件が文部科学省所管の事業に集中した。
特に「大学の機能強化」関連事業には7万件超の意見が寄せられ、9割以上が事業の必要性を指摘。大学関係者らの「組織票」が多く集まったためと見られる。
民主党マニフェスト(政権公約)の主要事業では、「高速道路無料化」(国土交通省)への意見のうち82%が「事業が必要と思わない」と否定的。
「戸別所得補償実施円滑化基盤整備」(農水省)では逆に85%が「事業は必要」との意見だった。
マニフェスト以外で注目される「在日米軍駐留経費負担」(思いやり予算、防衛省)では、「必要」が39%、「必要ない」が46%と割れた。
会議終了後の会見で玄葉光一郎国家戦略担当相は「(寄せられた意見は)国民の生の声であり、一つの参考材料。
ただ、バイアス(偏り)がかかる側面を留意する必要がある」と述べ、「組織票」の存在も考慮したうえで政策決定に反映させる意向を示した。
公開ヒアリングの模様は評価会議のホームページを通じてネット中継で国民に公開する。
事業の効果や各省の歳出削減努力など五つの視点で各事業を精査し、12月初めまでにA〜Dの4段階で優先順位を決定する方針だ。【谷川貴史】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101105ddm002010078000c.html