クレーン大手のタダノは1日、ブラジルでクレーンの製造・販売・メンテナンスサービスを手掛ける合弁会社を
設立すると発表した。同社が中南米に拠点を開設するのは初めて。建設用クレーンの主力である欧米市場の
需要低迷が顕著な中、成長市場である中南米でのシェア拡大を狙う。
新会社は「タダノ・ブラジル」(予定)。2011年春までにサンパウロ州に設立する。資本金は590万ドル(約4億
7000万円)。タダノが51%出資し、現地でタダノのクレーンを販売している代理店のTDB社(サンパウロ州)や
同社社長のマルシオ・ギマレス・カンポス氏が計49%出資する計画。
合弁会社の社長にはカンポス氏が就任。タダノから取締役を派遣する。従業員数などは社内で今後詰める。
13年1〜12月期には売上高4600万ドル(約36億8000万円)を目指す。15年までに中南米市場での同社シェアを
現在の2倍の20%に伸ばす考え。
ブラジルでは14年のサッカー・ワールドカップと16年の夏季オリンピックの開催を控え、インフラ面を中心とした
建設投資が活発化している。タダノでは今後4〜5年でブラジルを含む中南米市場でのクレーン需要が現在の
3倍以上の年1000台に拡大するとみる。
合弁会社はクレーン完成車の輸入・販売・メンテナンスのほか、新興国で需要の中心となっているトラック
クレーンの一部生産も手掛ける。日本や中国からクレーン部分を輸出し、現地生産のトラックに架装して完成品に
する。
また、来年1月にパナマに現地事務所を開設。ブラジル以外の中南米地域での販売支援や情報収集を進める。
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