深夜の住宅街での事件「情報が錯綜しどれが本当か分からない」
「どうしてこんな場所に」。神戸市須磨区の小学校脇で29日、血まみれの男性2人が車の中で見つかった事件。
一戸建てや団地が並ぶ静かな住宅街には不安が広がり、5年生の子どもがいる主婦(37)は「『学校へ行くのが怖い』と言って出掛けていった」と語った。
現場となったのは、市立南落合小の脇にある道路。そばの西門は普段から閉鎖され、車が発見された早朝は人通りも少ないが、週末の夜になると車を止めた10人前後の若い男女がたむろしていることがあったという。
「28日夜も、10時か11時ぐらいに、男の子と女の子が騒いでいたのを聞いた」と話すのは近所の女性(46)。福祉施設でボランティアをする女性も「ここらへんは静かで事件もないところなのに」と驚いていた。
南落合小では教員が通学路に出て、児童の安全を確認。校庭で開いた朝会で全校児童に「びっくりしないように」と伝え、授業も通常通り始めた。
学校の関係者は「子どもは動揺もなく、元気。巻き込まれることがなくてよかった」と述べた。
周辺の住民でつくる自治会では急きょ「午前5時ごろに学校前で男性が倒れていた」と事件を知らせる文書をそれぞれの家に配布。
注意を呼び掛けたが「いろんな情報が錯綜し、どれが本当か分からない」といら立ちを見せる人もいた。
車が発見される約2時間前に被害者とみられる男性がトイレから110番した神戸市西区のコンビニでは、警察が鑑識作業。店員は「午前3時か3時半ごろに、20歳から25歳ぐらいの男女が一人ずつトイレに入っていた」と話した。