低所得世帯学力、人間関係が支え 学テ会議分析
全国学力テストの結果を分析している文部科学省の専門家会議が21日開かれ、家族・友人との
豊かな人間関係やつながりが低所得世帯の子どもの学力を支えているとの内容が報告された。
対象は2008年度に実施したテスト。志水宏吉(しみず・こうきち)・大阪大教授は、保護者の年収が高いほど
子どもの学力が高いという相関関係のデータを基に、世帯年収500万円未満の子どもの学力を分析した。
その結果、テストの一環として子どもの生活状況を尋ねた調査で、会話の多さなどから「人間関係が豊か」と分類された児童より、
「豊かでない」児童の平均正答率は大きく落ち込んだ。
志水教授は「所得が低い世帯ほど豊かな人間関係による学力へのプラス効果が大きい。人間関係が学力を支えるセーフティーネットになっている」と強調。
低所得者層がさまざまなつながりを持てるような支援の必要性を訴えた。
読書活動との関係について静岡大の村山功(むらやま・いさお)教授が「読書が好きな子どもは学力が高い傾向がある」と報告。
情報通信機器を活用している学校ほど平均正答率が高いとの調査結果も報告された。
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102101000855.html