大地震被災のハイチでコレラ流行、150人以上が死亡
(CNN) 今年1月12日に大地震の直撃を受けたカリブ海ハイチの被災地でコレラが発生、
これまで150人以上の犠牲者が確認されたことが22日分かった。
米疾病対策センター(CDC)や米国国際開発庁(USAID)が明らかにした。
ハイチで人道支援活動に当たる国連関係者によると、感染が疑われる住民は1526人に達している。
地震後、首都などから避難した数万人規模の被災者が暮らしている地区で新たな患者の発生も報告されている。
感染拡大に対する衛生当局の初動対応が連絡不足などで遅れ、住民の間の不安も強まっているという。
ベルリブ同国首相は22日、コレラ流行を前例のない事態との危機感を表明、
CDCと協力して感染源の特定を急ぐ考えを明らかにした。
CDCは数日内に11人から成る専門医療班を現地に派遣、治療に適する抗生物質
の選択などを進めて感染防止に努める。感染地域で水浄化剤などの支援物資を既に配給している
USAIDは、治療施設を設けるための資材を送る。
コレラ感染被害が大きいのは首都ポルトープランス北方の地区で、サンマルク市の病院
は下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴える患者であふれているという。地震被害で医療施設
が不足し、たらい回しに遭って死亡する患者も出た。治療を受けるのに24時間待たなければならない例もある。
首都への感染拡大を防ぐため早急な対策の実施も迫られている。
地元の病院当局者によると、コレラに似た症状を訴える患者は今月16日から目立ち、19日以降に増え始めた。
コレラ感染が表面化したのは、ハイチの主要な下水道網ともなっているアルティボニト川が最近
の豪雨で洪水を起こし、周辺地域が冠水した後となっている。汚染された水を飲んだ住民も多いとみられる。
首都ポルトープランスは大地震で壊滅的な被害を受け、国連ハイチ安定化派遣団は
伝染病のまん延を懸念して飲料水供給や無料の医療施設を開く活動を続けていた。
http://www.cnn.co.jp/world/30000648.html?ref=ng