湖国クマ、多発警報 県など、クリ・カキ早期収穫を
ツキノワグマの出没が滋賀県内外で相次ぎ、人への被害も増えていることから、
県と生息地域の高島、長浜、大津の3市は警戒を強め、クマを近づけない被害予防対策を
住民にあらためて呼び掛けている。
県自然環境保全課によると、クマは臆病(おくびょう)な性質だが、不意に人と遭遇すると
パニックになり襲いかかる。クマが出没しやすい早朝や夕方は、ラジオをかけて畑作業をしたり、
山では複数で会話しながら歩くなど、人の存在を前もって知らせることが有効。戸締まりを徹底し、
民家に入るすきをつくらないことも大切という。
一方、今月12日に人がクマに襲われた富山、福井両県の事例は、山から離れた平野部で発生。
同課は「従来予想できなかった地域での出没もあり得る」と注意を呼び掛ける。
県と3市は15日までに、出没の恐れがある山沿いの住民を中心に、えさとなるクリとカキの収穫を早め、
枝に実ったまま放置しないよう求めた。8月に大津市で養蜂(ようほう)の巣箱がクマに壊された事例を受け、
巣箱の撤去も要請した。
また高島市は15日、県や県警との担当者会議を緊急に開いた。本年度と同様に出没が多発した2006年度を
参考に、10月20日前後を出没のピークと想定。行楽シーズンで増える登山客への注意呼び掛けや、目撃情報が
あった地域の小中高校での集団登下校を徹底するとした。
県内のクマ出没件数はえさとなる奥山のドングリ不作の影響で、本年度は9月末までで105件と、統計を取り始めた
2004年度以降で最多のペースで推移。7月には大津市の山林で男性が襲われ軽傷を負った。【 2010年10月15日 22時54分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101015000143