【社会】
携帯、イヤホンの女性 ご用心
2010年10月14日 夕刊
耳には音楽プレーヤーのイヤホン、目は携帯電話に夢中−。
路上や電車内で見かけるこうした女性がわいせつ被害に遭うケースが、
千葉県内だけで今年五十八件も起きていることが、
県警子ども女性安全対策室のまとめで分かった。
同室は「周囲の音や動きが感知できず、格好のターゲットにされやすい」と注意を呼び掛けている。
県内では九月十四日朝、JR成田線の電車内で県立高三年の女子生徒(18)の
下半身をデジタルカメラで撮影したとして、県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、
男(33)が逮捕される事件があった。
同室によると、女子高生はイヤホンを耳にはめ、携帯電話を操作しながら駅構内に入った。
男は後を付けてエスカレーターで背後から下半身を撮影。電車内でも女子高生の前に
立ち盗撮を続けたとされる。画像十五枚の中には女子高生を間近で真正面から写したものもあったが、
女子高生は携帯電話の画面に気を取られ、なかなか気づかなかったという。
九月下旬には印西市の路上で深夜、イヤホンで音楽を聴きながら歩いていた
帰宅途中の女子高生(15)が男に羽交い締めにされ、胸を触られる事件が発生。
女子高生は男が背後から近づいてきたのに気づかなかったという。
同室が一月から九月末までに、わいせつ被害に遭った女性の共通点を調べたところ、
イヤホンで音楽を聴いていたり、携帯電話を操作中だったりした女性が五十八件に上った。
十〜二十代が九割を占め、警戒心が薄れやすい自宅近くの路上を歩いていていきなり抱きつかれたり、
胸や下半身を触られたりした被害も目立つという。
同室は「被害当時の状況を詳しく把握していないものも含めれば件数はさらに増えるはず」と説明。
「目と耳をふさぐと全くの無防備になり、『襲ってください』と言っているようなもの。
時折、後ろを振り返るなどして、十分気を配ってほしい」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010101402000189.html