2日間で約16万人が訪れるという全国最大級の大学祭「早稲田祭2010」(11月6、7日)運営スタッフ代表で、
早稲田大学3年の木村憲仁さん(20)に話を聞いた。
就活について問うと、約500人のスタッフを束ねる木村さんは
「早稲田祭が終わってから考える」と気持ちいいぐらいにキッパリ。といいながらも、就職情報サイトには登録している
名前や住所、大学、専攻などを登録し、希望する企業の就職情報を電子メールで提供してもらう。
毎日届くメールはあまり見ない。「メールを見ると、何かしないといけないという強迫観念に駆られる」からだ。
「3年弱勉強しただけで将来のことを考えろと言われても……。毎年早くなる就職活動には正直違和感がある」と打ち明ける。
木村さんによると、08年秋のリーマン・ショック後、運営スタッフ希望者が急増しているという。
木村さんは「まじめなサークルを選ぶ新入生が多い。
就職がやばい(厳しい)と言われ始めて、これはまずい、遊んでいる場合ではない、という流れが、少しは関係しているかな」。
都内の別の大学祭関係者は「大学祭実行委員会を希望する学生が増えている。就職に有利と思っている人もいるが、そんなに甘くない」と指摘する。
無論、大学祭に興味がない学生も少なからずいる。明治大学3年の男子学生(21)は
「やりたい人がやればいいんじゃない」と話し、去年も今年も参加しない。
すでにリクナビに登録し、日々の就職情報メールに目を通す。業界本を読み、OBを通して企業訪問も始めた。
24日には大手鉄道会社の説明会を予約している。「就活のほうが全然重要」。そう言い切った。
一方、内定がなく計画留年するという早大4年の女子学生(21)はそれでも秋の大学祭には参加する。
「普通の大学生活では、大勢で何かを成し遂げる経験ってあまりなくて、それが簡単に味わえていいんじゃないでしょうか。
分かりやすい自己実現……それほどでもないか」
就活か大学祭か、違いはあれど、まじめに取り組む姿勢は共通している。もっとさめているかと思ったが大違い。きまじめさがキーワードだ。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101014dde012100007000c.html