中国政府は、民主化運動家の劉暁波氏が今年のノーベル平和賞の受賞者に決まって以降、
ほかの民主化運動家に対する監視を強化し、一部を連行したり、自宅軟禁したりした。
劉氏の妻、劉霞さんの外部との接触も断たれた。中国はマスコミとインターネットを検閲し、劉氏のノーベル賞受賞に関する情報が広がることを防いでいる。
これに先立ち、中国外務省は「罪人にノーベル平和賞を授与することは賞に対する冒涜(ぼうとく)だ」と論評し、
ノルウェーの駐中大使を呼び出し、「中国とノルウェーの関係にも損害をもたらす」と抗議した。
劉氏は1989年の天安門事件でハンストを行うなどして投獄された後、中国の人権状況を批判する文章を発表したとして、
96年から3年間、労働矯正処分を受けた。また、2008年には共産党による一党独裁の廃止、自由な選挙、人権改善などを求め、
知識人がまとめた「08憲章」の発表で先頭に立ったとして、懲役11年の刑を受け服役している。
中国は改革開放政策によって、人口13億人の生活問題を解決する大きな成果を収め、今や米国と世界の政治・経済問題を協議する大国に成長したが、
西側から見た中国は人権後進国だ。中国政府は共産党の一党独裁を批判する思想と表現の自由を極度に抑圧しており、
現在も令状や裁判なしで、国民に3年間の労働を通じた再教育を行う労働矯正処分を下している。
国際的な人権団体、アムネスティ・インターナショナルは今年5月、中国の言論、集会、宗教の自由に対する規制、
人権運動家に対する迫害、チベット、新疆ウイグル両自治区での弾圧などを懸念する報告書をまとめ、
世界で2008年に死刑が執行された約2400人のうち、少なくとも約1700人が中国人だったと発表した。
フリーダム・ハウスは今年6月、中国を「人権侵害が引き続き起きている極めて抑圧的な国」17カ国に含めた。
中国が経済的に成功すればするほど、経済の恩恵を受けた国民の民主化、人権改善を求める声は高まるはずだ。
中国が民主化と人権の問題を避けて通れる時期は過ぎ去ろうとしている。
中国式の答えであれ、西側式の答えであれ、何らかの答えを示すべき時が迫っている。
http://www.chosunonline.com/news/20101011000033