少年を盗撮した警察官、バレて強請られたものの盗撮の負い目で警察に虚偽報告

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1 田作(大阪府)

 兵庫県警川西署の男性巡査長(38)が、私的なトラブルの発覚を恐れてその場しのぎの対応や
うそを重ね、トラブル相手の容疑を隠したとして、県警は8日、犯人隠避の容疑で巡査長を書類送検
した。巡査長は同日、停職1カ月の懲戒処分を受けた。

 県警によると、巡査長は無職少年(17)の恐喝未遂容疑を県警に伝えなかった疑いが持たれている。

 巡査長は7月30日午後6時ごろ、JR川西池田駅(兵庫県川西市)のホームで、少年の格好に
興味を持ち、カメラ付きの携帯電話で顔の辺りを無断で撮影。少年に見つかり謝罪を求められた。

 巡査長は、撮影が県迷惑防止条例違反容疑に問われるのではないかと考え、言われるままに現金
6千円と運転免許証入りの財布を渡した。その後、免許証などの再発行のため、虚偽の遺失物届を
県警に出した。

 翌31日夜、免許証の住所を見て巡査長の自宅近くに来た少年に、巡査長が胸ぐらをつかまれる
などしているのを通行人が見て、最寄りの交番に通報。巡査長は前日の撮影が表ざたになるのでは
と思い、「落とした財布を届けてくれて、謝礼の件でもめている」と警察官に説明した。

 しかし、少年が警察官の質問に答えているうちに「財布にあった現金は使った」「財布は捨てた」と
話したことなどから、県警は翌8月1日、少年を遺失物横領容疑で逮捕した。

 巡査長はこの日昼になって、遺失物届はうそだったと県警に報告。少年は同日夜、釈放された。
巡査長は「撮影が問題になって処分されるのが怖かった」と話しているという。少年も8日、恐喝未遂と
暴行の疑いで書類送検された。

 巡査長は少年に財布などを渡した理由について「その場を取り繕おうとしただけで、脅された認識は
ない」と供述しており、県警は恐喝容疑は未遂と判断した。

http://www.asahi.com/national/update/1008/OSK201010080068.html