西武新宿線がついに地下化、10年後の完成目指す
西武新宿線地下化へ 都、12年度にも着工
開かずの踏切で交通渋滞が問題化している西武新宿線で、都は中井駅(新宿区)−野方駅(中野区)間を地下化する
方針を示した。計画されているのは、約二・四キロの中野区にある線路で、都市計画案を六、七日夜、地元住民に説明した。
順調に手続きが進めば、二〇一二年度にも用地買収、工事にかかり、二〇年度の完成を目指す。
同区によると、区内には西武線の踏切が二十カ所あるが、うち十八カ所が、朝夕のラッシュ時に一時間のうち四十分以上、
遮断機が下りている開かずの踏切。〇三年に区町会連合会が七万人近い署名を集め、都に地下化を要望していた。
計画では、地下化によって、渋滞の激しい中野通りなど七カ所の踏切を廃止。併せて、新井薬師前駅のホームを北側に
ずらしカーブを緩やかにするなどの工事も行う。事業費は用地取得費も含め約六百七十億円と試算され、国の補助を受け
都と中野区、西武鉄道が負担する。
都は来年度中にも都市計画審議会を経て都市計画決定し、一二年度にも事業認可を受けて事業に着手したい考え。
用地買収や工事には約八年かかる見込み。
一方、中野区は地下化を地域の活性化につなげるため、並行して駅周辺を整備。駅へのアクセスを便利にすることを検討。
区間内にある新井薬師前、沼袋両駅に、バスやタクシーの乗降場を備えた駅前広場を造る。駅につながる道路では、道幅を
広げたり、電線の地中化を推進。新井薬師前駅の東側に南北方向の道路を新設する。
地下化の説明会は区立上高田、沼袋両小で開かれ、計約六百人が参加した。「早く工事を進め渋滞をなくしてほしい」
との要望のほか、今後のスケジュールに関する質問が相次いだ。
(松村裕子)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101009/CK2010100902000072.html