http://mainichi.jp/area/chiba/news/20101006ddlk12040159000c.html 略
東京湾は、富津岬と三浦半島・観音崎を結ぶ線で内湾と外湾に分けられる。海と言えば海流などで水が絶えず
循環している印象がある。ところが、内湾は平均水深15メートルで、大きさに比べ出入り口が絞られている。
小倉さんのような専門家からすると、内湾は「川」でも「海」でもなく、水の流れが乏しい「閉鎖性水域」(池や沼や湖)だという。
東京湾(内湾)が巨大な池だったとは……。
今年のような猛暑で海水の2層構造が強まり、台風などの強風で水がかき混ぜられなければ、酸素のない水が「池」の底にたまり続け、発生条件は整う。
ちなみに、外湾は太平洋に大きく口を広げ、水深は平均150メートル。館山付近の海底には深い谷があり、最深部は300メートルになるというから、立派な海である。
東京湾について、研究員は漁師から別の見方を聞いた。“富津岬・観音崎を河口とするひとつの川”だというのだ。
江戸川(利根川)や荒川は、治水・利水を理由にコンクリート(護岸やダム)で固められた。「上流(河川)の流れが悪くなった。
だから下流(東京湾内湾)の水が腐る」。船橋市漁協の大野一敏組合長(71)が嘆く。「青潮は毎年のように出るが、国は
何の手も打たない。足元の資源を守る気があるのか。米国東海岸チェサピーク湾では関係州の協力で青潮防止策を取った。見習うべきです」
川も流れなければ、池と同じである。
後略